両利き経営における知財部門の役割 4回連載(3)

第3回 他社や業界を知る公開情報

ポイント:知財の比較以外にも公開情報を有効に使うと他社動向を知る事ができる

自社のコア事業の市場には、同様の事業を行う複数の企業が参入する事が常だと思います。その市場(戦場でしょうか?)で、自社の優位性を確保し、目標とするシェア拡大、利益拡大を達成できるように経営がマネジメントしています。

優位性の確保のためには他社の動向を調査する事が重要なわけですが、皆さんの担当する知財を比較する以外にも公開される情報を有効に使いながら、他社動向を知る事ができます。以下は、主な公開情報とポイント(観点)です。

公開情報説  明観  点
有価証券報告書金融商品取引法で要求される主に上場企業の事業状況に関する情報(財務情報、非財務情報)会社全体の状況や各事業の経営状況を読取る事ができます。また、今後力を入れそうな研究や設備についても情報公開されます。
株主総会資料定期・非定期に開催される株主総会で決議される議案の情報株主の合意が必要な定款変更の中で新たに加えられる事業の情報が公開されています。
中期事業計画各社が、中期(3年間が一般的)に行う経営の方針や進捗状況について公開する情報。法的な制約は無いため、公開しない企業も存在する。中期の経営方針や進捗状況が比較的細かなレベルで公開されています。
統合報告書財務・非財務など企業経営に関する基本的な考え方をまとめた情報当該企業のビジネスモデルや、保有する資本についての情報が公開されています。

第2回の最後にも述べたように、これらの情報は、知財戦略と整合性を保っていると解釈し、どのような知財戦略がとられるか?皆さんの想像力を働かせてみてください。

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